音節

音節の構造

音節(syllable)とは、人間が言葉を発する際、最も発音しやすい音のまとまりです。

英語のstrike /straik/という単語は、これで1音節ですが、日本語の「ストライク」/sutoraiku/という単語は5音節です。このように、音節の形は言語毎に異なります。しかし、その基本的な形は以下の図のようになっていて、これはどの言語にも共通するものです。

音節(syllable=σ)は、母音の前の子音(群)であるオンセット(Onset=O)と、母音とその後の音(群)の連鎖であるライム(Rime/Rhyme=R)に分かれます。ライムは、さらに、(短)母音からなる核(Nucleus=N)と、母音の後の子音(群)からなるコーダ(Coda=Cd)に分かれます。

音節内の音の並びにも規則性があります。分節音は、その聞こえ(sonority)の度合いによって、以下のように分類されます。音節においては、音節の中心にある音(=核)が一番聞こえの度合いが高く、核から遠くなるに従って聞こえの度合いが下がるように並んでいます。

しかし、英語の語頭の子音連鎖の例ではこれに合わないものが存在します。

例えば、split /split/、strike /straik/、scream /skriim/などのオンセットでは、/sp/ /st/ /sk/という子音連鎖がありますが、核から遠い/s/の方が、核により近い/p//t/ /k/より聞こえの度合いが高くなっています。

このような例は、lips /lips/、cats /kaets/、cakes /keiks/などのコーダの場合にも見られます。

これらは、表面上2個の音からなっているように見えますが、実際には、1音であると考えられます。このような音を、複合分節音(Complex Segment)といいます。

音節化

英語の音節化(Syllabification)の手順を以下に示します。この際、重要なことは、英語の音節化は、語末を起点として、右から左へ適用されることです。

1:まず母音を見つけ、その母音を核(N)とする。

instinct /inst[i]nkt/ 
                |
                N

2:起点から核(N)までの子音をコーダ(Cd)とする。

instinct /inst[i][nkt]/ 
                |   |
                N   Cd

3:次の母音を見つけ、母音間の子音の並びの中でオンセットが最大になるように分ける。この性質を、オンセット最大化の原則(Onset Maximality Principle)と呼びます。

instinct /in[st][i][nkt]/ 
              |   |   |
             ON  N  Cd